● NICHGO PRESS 7月号
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日本経済新聞 2013/6/27 0:04
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2604E_W3A620C1FF2000/
豪首相、ラッド氏が返り咲きへ 人気高く選挙の顔に
【シドニー=高橋香織】
オーストラリアの与党労働党が26日実施した党首選でケビン・ラッド前首相(55)が3年ぶりに党首に返り咲いた。
労働党は下院で単独過半数を確保していない。
閣外協力する無所属議員らの支持が引き続き得られれば首相に就任する見通しだ。
与党は国民の人気が高いラッド氏を「選挙の顔」に担ぎ9月に予定される総選挙を少しでも有利に運びたい考えだが、党内の混乱がマイナスに働く可能性もある。
■弱い基盤に悩む
2010年6月をなぞるかのような党首交代劇だった。
3年前は支持率が低下していたラッド氏にギラード氏が退陣を迫ったが、今回は攻守が逆転した。
「党首交代がなければ破滅的な敗退を喫する」。
この数週間、党首選がささやかれながらも態度を明らかにしていなかったラッド氏は26日、立候補の理由をこう述べた。
総選挙を3カ月後に控えた与党が党首交代に追い込まれた背景には急速な支持率の低下がある。
ギラード政権は発足当初から基盤の弱さに悩んでいた。
国民の間で「もともと信認を与えた覚えはない」という感情が根強い。
首相として迎えた前回選挙では労働党、保守連合とも過半数を得られず、ギラード氏は無所属議員の支持を取り付け、わずかな差で政権を維持した。
基盤の弱さに拍車を掛けたのが世界経済の変調と、後手に回った政策運営だった。
オーストラリアは中国経済の減速で鉱物資源の輸出が鈍った影響などで、13年の経済成長率が3%以下にとどまる見通し。
経済の苦境が続いているにもかかわらず、ギラード政権は景気浮揚の有効な対策を打つ代わりに教育や福祉への支出を拡大。
国民の不満が高まった。
温暖化ガスの排出削減に向けた炭素税を「導入しない」との公約を破ったことや、12年度の財政黒字が未達に終わったことも響いた。
最新の世論調査によると、労働党の支持率は43%と野党・保守連合の57%を大きく下回り、与党内では政権交代が不可避との絶望的な見方が広がっていった。
■ギラード氏賭け
「敗者は政界から引退すべきだ」。
ギラード氏は26日、自ら党首選実施を呼び掛けた。
同氏は、今年3月にラッド氏への党首交代論が浮上した際に緊急の党首選を実施。「不意打ち」を食らったラッド氏は出馬できず、ギラード氏は党首の座を守った。
その体験が今回の党首選実施の背景にあるとの見方がある。
しかし、狙いははずれ、結果は57票対45票の大差での敗北に終わった。
ラッド氏が首相になれば、選挙戦は五分五分の戦いとの世論調査結果も出ている。
ギラード氏は9月14日に総選挙を行うと発表していたが、ラッド氏が8月に前倒しする可能性も浮上している。
もっとも、形勢逆転はそう簡単ではない。
ギラード氏を支えてきたスワン副首相兼財務相やエマーソン貿易・競争力担当相らが閣僚辞任を表明。
党内の足並みの乱れを早期に解消できるかが焦点となる。
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ジュリア・ギラードはオーストラリアはめての女性首相。
豪腕で知られ、小粒サーッチャーと見られていた。
でもここにきて命脈がつきたということのようである。
サッチャーは苦境を粘り強く乗り越えてきたが、ギラードにはその才覚はない。
韓国でも初めての女性大統領が誕生した。
大統領制は5年の人気を保証している。
もし、朴槿恵(パク・クネ)の政策に見通しがなく人気が急落したとき、これを交代させる手段がない。
トップの公選制は権力の集中が行われ、後進国にとっては安定するが、国自体が安定した先進国では行われるものではない。
アメリカは後進国の遺制を多く引きずっている。
スーパーチューズデイを始めとする選挙制度は見事に後進国の形をとっている。
首相の交代が行われにくい制度は民主主義にはなじまない。
オーストラリアはその点で優秀だが、韓国は選挙制度に瑕疵性を持っている。
もし仮に朴槿恵が大統領にふさわしくないと思っても、任期終了まで国民はそれに付き合うしかない。
それを交代させるシステムがない。
盧 武鉉(ノ・ムヒョン)の悲劇を繰り返すことは韓国国民にとってはいたたまれないだろう。
トップ公選制は決して国民にといい制度とは思えない。
例えば、鳩山由紀夫がその選挙制度の利点を生かして4年も居座ったら日本国民はどうなるだろう。
考えただけでも、誰もがゾーッとすることだろう。
民主主義とは常にトップを交代できる制度でなければならない。
柔軟に対応できる仕組みでなければならない。
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ロイター 2013年 07月 1日 17:23 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE96004M20130701
首相交代で豪労働党の支持率が上昇、総選挙では依然苦戦か
[シドニー 30日 ロイター] -
先月26日に行われたオーストラリアの与党、労働党の党首選でケビン・ラッド前首相が首相の座を奪還したことを受け、労働党の支持率が上昇している。
ただ、党首戦後初めての世論調査となったギャラクシー・リサーチの調査では、年内に実施される総選挙で労働党に投票するとの回答は49%で、野党の51%を下回った。
6月初めの調査からは、労働党支持率が4%上昇し、野党との差が縮小した。
ラッド氏を首相に望むとの回答は51%で、保守連合を率いるアボット氏の34%を上回った。
15%は意見が決まっていないと回答した。
調査は党首選でラッド氏が勝利した直後に実施。
結果は30日付ニュース・リミテッド紙に掲載された。
*デートラインの体裁を修正して再送します。
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ウオールストリートジャーナル 2013年 7月 12日 10:46 JST
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324195104578600512828891862.html
オーストラリアの資源ブームは終わった=ラッド首相
By JAMES GLYNN
【シドニー】オーストラリアのラッド首相は11日、キャンベラでのジャーナリスト向け会合で講演し、長く続いた同国の天然資源ブームは終わったと宣言した。
同国の失業率は金融危機の最中にみられた水準に近づいており、経済政策立案者は今後の課題が示された形だ。
ラッド首相は、鉱業分野の景気減速に対処するための戦略の概要を示した。
同国では今年、総選挙が行われる。国際競争力に焦点を当てたこの戦略には、労働市場の柔軟化、企業に対する規制の緩和、技術やインフラへの支出拡大などが含まれている。
首相が厳しい発言をしたこの日、政府が発表した統計によると、失業率は5.7%と、過去4年間での最悪に達した。
同国の失業率は、リーマン・ブラザーズ崩壊前の2008年には4%の低い水準だったが、金融危機が広まるなかで09年半ばには5.9%の高水準に上昇している。
天然資源が豊富なオーストラリアは、中国をはじめとするアジア諸国の旺盛な資源需要と大規模な景気刺激策により、金融危機のさなかでも急激な景気減速を回避することができた。
資源需要と刺激策のおかげで、失業率は他の大半の先進国を大きく下回っていた。
しかし、このところ中国の景気が減速しているうえ、オーストラリアでは鉱山プロジェクトがほぼ完了して資源産業への投資が弱まっていることから、政策立案者は懸念を強めている。
例えば中央銀行は、鉱業ブームがピークを迎えるなかで予想される失業者急増を相殺するため、他の経済分野を活発化させようとしている。
ラッド首相は
「中国の資源ブームが終わったというのが本当のところだ」
と述べ、経済は「交差点」上にあり、
鉱業依存からの離脱が政府の「核心的任務」になったと付け加えた。
資源業界が数千人の人員を削減する中で、オーストラリアの中銀は繰り返し利下げをして過去最低水準とし、消費支出の拡大により小売りや住宅建設など弱い部門を押し上げようとしている。
天然資源への依存度が最も高い州である西オーストラリア州はレイオフの集中砲火を浴びている。
バンクウェストの主任エコノミスト、アラン・ラングフォード氏は
「鉱業依存からの離脱には時間がひどくかかっている」
と述べ、
「資源経済からより広範な経済への移行は期待されている段階で、実現はまだだ」
と指摘した。
6月末に行われた与党労働党の党首選でライバルのジュリア・ギラード氏を破って首相の座に返り咲いたラッド氏は、政策の焦点を経済に移した。
この返り咲きで労働党の支持率は急上昇している。
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【 うすっぺらな遺伝子 】
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