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ロイター 2013年 07月 6日 16:07 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE96501620130706?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0
焦点::移民受け入れで人口拡大、豪経済にもたらす「成長の果実」
[シドニー 4日 ロイター] -
オーストラリアでは他国をしのぐ経済成長が続いているが、毎年約25万人に上る移民の受け入れが同国の成長要因の一つであることは見過ごされがちだ。
移民受け入れにより、住宅や自動車、教育から医療に至るまで、あらゆる分野での需要が支えられることになる。
最も人口の多いニューサウスウェールズ州は、拡大する需要を満たすため、向こう4年間で600億豪ドル(約5兆5000億円)をインフラ整備に投じる方針を明らかにしている。
人口増加は全ての問題を解決する万能薬では決してなく、環境面でも多くの問題を伴う。
しかし、オーストラリアはこのような問題への取り組みにおいても他国に比べて優位に立っている。
内陸地域の大半は未開発だが、2万6000キロメートルに及ぶ肥沃(ひよく)な沿岸部には居住可能な地域が十分にある。
沿岸部の都市は、同国の総人口約2300万人の大半が住んでいるにもかかわらず、世界で最も人口密度が少ない水準を保っている。
<移民受け入れが成長後押し>
堅調な経済と低い失業率を受け、オーストラリアは高学歴で高いスキルを持つ移民を受け入れ続けてきた。
今年6月までの1年間に技術ビザで入国した移民は約12万9000人に上り、向こう1年間でも同程度の技術移民が迎えられる見通し。
近年の技術移民は、中国、インド、英国、ニュージーランドの出身者が多くを占める。
統計局の発表によると、2012年の移民の純増数は前年比17%増の23万6000人だった。
同年の人口増の6割以上は移民から成り、それに応じて新たな住居の確保も必要とされる。
移民と資金の流入が住宅価格の押し上げにつながる国がある一方、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)のスティーブンス総裁は今月3日、同国の住宅価格は緩やかに上昇しており、深刻な問題にはならないとの見方を示した。
同国の人口増加率は年1.8%に上り、増加ペースは米国の2倍、英国の3倍、ドイツの9倍となる。
2002年のオーストラリアの人口増加率はわずか1.1%だった。
<日欧は人口減少へ>
国連は、2050年までにオーストラリアの人口が50%増加する見通しを発表。
これに対し、同年の欧州の人口は6700万人減少(9%減)、日本の人口は2600万人減少(20%減)と予想されている。
オーストラリア政府によると、同国の人口増加は国連の見通しを上回る可能性もあり、現在の増加ペースが続けば2050年の人口は4000万人に達することもあり得る。
それが現実となれば、同国は経済成長で他の先進国よりも優位な状態が続くだろう。
人口減が続く日本のような国では、経済成長は生産性の改善などによってもたらされる必要がある。
しかし成熟した経済にとってこれは困難な課題となる。
オーストラリアが重視するのは若い年代の技術移民で、彼らの平均年齢は国民の平均年齢を下回る。
また、同国では政府の出産奨励策が出生率の上昇に貢献し、2012年の出生率は高い水準を記録した。
<政治指導者も支持>
米国とは異なり、オーストラリアでは移民の流入はそれほど大きな議論を呼んではいない。
技術移民が同国の採掘ブームに必要不可欠だったことも理由の一つだ。
ただ、鉱山投資がピークを迎え、失業率が徐々に上昇を続ける中、移民政策をめぐる反対意見が増える可能性もある。
しかし、主要政党の指導者らは移民受け入れの継続に前向きな姿勢を示している。
数カ月以内に行われる総選挙では、野党の中道右派、自由党の勝利が予想されているが、同党は技術移民の受け入れを強く支持する経済界の人物らとつながりが深い。
自由党のトニー・アボット党首は先月、ノーザンテリトリー(北部準州)の人口を大幅に拡大させる考えを提案した。
ノーザンテリトリーは米テキサス州の2倍の面積を持ちながら、居住者数は23万7000人にとどまっている。
一方、6月26日に行われた与党・労働党の党首選に勝利し、首相の座を奪還したケビン・ラッド氏はこれまで、人口増加を想定した「大きなオーストラリア」政策を掲げたこともある。
ラッド氏は首相復帰初日に議会に対し、「われわれは多文化国家の成功例だ」と指摘。
「過去数十年にわたって受け入れてきた移民により、オーストラリアには活力がもたらされてきた」
と移民の重要性を訴えた。
(原文:Wayne Cole記者、翻訳:本田ももこ、編集:橋本俊樹)
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●バグース 7月号
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AFP BBニュース 2013年07月19日 20:27
http://www.afpbb.com/article/politics/2956711/11054563
豪州がボート難民締め出しへ、パプアなど第3国へ送還
【7月19日 AFP】オーストラリアのケビン・ラッド(Kevin Rudd)首相は19日、同国ではこれ以上のボート難民の定住を認めないとし、許可なく漂着した場合は全て、貧困国のパプアニューギニアへ送還する方針を発表した。
9月の総選挙を前にして、新たに強硬路線の国境警備方針を打ち出したラッド首相は、パプアニューギニアのピーター・オニール(Peter O'Neill)首相を伴った会見で、
「今この時点から、オーストラリアにボートで到着した亡命希望者には、難民としてオーストラリアに定住する機会はない」
と明言した。
インド洋にあるオーストラリア領、クリスマス島(Christmas Island)沖に漂着した亡命希望者は、パプアニューギニアのマヌス(Manus)島にある収容センターか、太平洋諸国のいずれかに移送されるという。移送される人数に制限は設けていない。
仮に「正真正銘の難民」であることが判明した場合でも、新たな厳しい政策の下で、オーストラリアに定住できる「可能性は全くない」とラッド首相は言い切っている。
また亡命申請が認められなかった者は、自国へ送り返されるか、第3国へ送還されるとしている。
ラッド首相とオニール首相によって同日調印された「地域定住協定(Regional Settlement Arrangement)」は即刻発効し、当初12か月間施行された後、1年ごとに見直される。
その目標は、迫害を逃れるといった理由よりも、より良い生活を求めてオーストラリアに渡る、いわゆる「経済難民」が小舟による危険な海の旅を目指す意欲を大きくそぐこととされる。
オーストラリアはボートで漂着する亡命希望者の流入食い止めに苦心してきた。
2012年には記録的な数のボート難民が到着し、今年はこれまでにすでに1万3000人を超えている。
漂流中に溺死者も出ており、今週16日にもボートが沈没し、4人が死亡したばかりだった。
(c)AFP/Martin PARRY
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【 うすっぺらな遺伝子 】
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