2014年5月6日火曜日

アトピーに効くとは書いていない『アピット ジェル』(1):花粉アレルギーのアトピー

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 『敏感肌 お肌の弱い人のための保湿ミルクジェル
というのが宣伝タイトルである。

 この「アピット」というクスリ名は明らかに「アトピー」からとったものであろう。
 ところが、説明書のどこを呼んでも「アトピー」の文句は見つからない。




 なぜこのクスリの話をするかというと、このクスリを使い始めて2週間がたったからである。

 話の前に「アトピーとはなんぞや」ということについて記しておこう。

Wikipediaから
  アトピー性皮膚炎(アトピーせいひふえん、英語:atopic dermatitis)とは、アレルギー反応と関連があるもののうち皮膚の炎症(湿疹など)を伴うもので過敏症の一種。
 アトピーという名前は 「場所が不特定」 という意味のギリシャ語 「アトポス」 (atopos - a=不特定、 topos=場所) から由来し、1923年 コカ(coca) という学者が 「遺伝的素因を持った人に現れる即時型アレルギーに基づく病気」 に対して名づけた。
 医学用語としては気管支喘息、鼻炎などのほかのアレルギー疾患にも冠されるが、
 日本においては慣用的に「アトピー」のみで皮膚炎のことを指すことが多い。

 英語名「atopic」を入れ替えると「apicto」となる。
 「atopic」では最後の「c」はサイレント[c] になっている。
 「apicto」では「c」を同じように破裂音[c] とすれ「アピクト」ではなく「アピット」 と発音される。
 つまりこの命名はアトピーを意識してつけられたものと判断するのがノーマルになる。
 しかし、説明書のどこにも「アトピー」の文言は記されていない。
 製薬会社の微妙な判断が伺われる。
 つまり、アトピーに効くように作ったが、その旨を公言してはならない、と。
 そこに何か意図的なものが感じられるのだが。

 通常、アトピーは小児に出る皮膚炎と思われているが大人にも出る。


アトピー性皮膚炎 大人 顔 症状
http://アトピー性皮膚炎.jpn.com/category4/entry20.html

アトピー性皮膚炎になった大人の顔に出る症状はどんなの?
 子どもに多いと思われがちなアトピー性皮膚炎ですが、大人になると外部刺激を一番受けやすい顔に症状が出やすくなってしまうことを皆さんはご存知でしょうか?
 アトピー性皮膚炎自体は顔だけに限らず、腕や首周りなどに症状が出る印象が強いのですが、
 大人になって発症する場合は顔に出て
しまい、おしゃれのためのメイクもなかなか上手く出来なくなってしまいます。
 顔に出てしまった症状の多くは肌が赤くなったり腫れてしまったり、湿疹がたくさん出てしまいます。
 もちろん放置したままにしておけば、症状がどんどん酷くなってしまい、皮膚の表皮がボロボロと剥がれ落ちてしまったり、どんなに保湿をしても常にひび割れのような肌となってしまいます。
 この状態を早急に改善しなければ、アトピー性皮膚炎の症状が少し落ち着いたとしても、皮膚自体が黒褐色になってしまったり、年齢に合わないシワっぽい肌となってしまう可能性や皮膚に化粧がのらなかったりと特に大人の女性には悩ましい状態とも言えます。
 また、一般に見られる皮膚がただれた症状などではなく、ニキビでも吹き出物でもない湿疹が顔全体に出てしまう症状もあり、一見・・・アトピー性皮膚炎には見えない症状の場合もあります。
 このような湿疹の場合は特に痒みや痛みもないため放置してしまう事も多いようですが、早期治療で無くなれば無くなるほど治りが悪く症状がひどくなってしまうのが大人のアトピー性皮膚炎の特徴とも言えるでしょう。


 4月のはじめのことである。
 突然クシャミとハナミズに襲われた。
 花粉である。
 日本ではあたりまえの花粉であるが、オーストラリアではあまり聞かない。
 特にここゴールドコーストではマスクをしている人に会うことはまったくといっていいほどない。
 ならオーストラリアに花粉症はないかというとそういうことはない。
 花粉は世界にばらまかれている。
 ただその力が弱いだけである。
 よって花粉に敏感なものだけがやられる。
 ハクションハクション、そしてハナミズだらだらである。
 クシャミの方は日毎には回数が少なくなり、3.4日で終わった。
  だがハナミズは止まらない。
 ゴミ箱はテイッシュペーパーで山盛りになる。
 日本ならどこでも見られる風景である。
 鼻の下は真っ赤になる。
 皮膚がバリバリになる。
 しばらくするとハナミズも止まったが、ここでアトピーが始まった。
 花粉アレルギーが引き起こしたアトピーである。
 患部が鼻の下の左右に広がり、鼻の両脇から鼻の頭までカサカサになる。
 ヒフが割れてリンパ汁が出始める。
 下に降りてクチビルがアトピーにやられる。
 割れはないのだが、リンパ汁でべたべたになり、上と下のクチビルがねっとりとくっつく感じになる。
 柔らかな接着剤をつけた感じである。
 さらに下に降り、今度はアゴをやられる。
 もともと、私はアゴのヒフが弱い。
 一気にアトピーの餌食になる。
 象皮状になり割れ目からリンパ汁である。
 リンパ汁を吸い取るために、ハンカチを常に患部におしつけている。
 口のまわりをハンカチで抑えながらの日々である。
 数枚のハンカチを使い、汚れると手まめにハンカチを洗ってストーブで乾かす。
 疾部はさらにアゴの裏まで広がる。
 

 実はこの症状昨年の同じ時期にも発生している。
 アゴからアゴの裏、そしてクチビルである。
 この時はひどかった。
 医者にも3回ほど行っている。
 このとき最初に聞かれたのは
 「草むらに入りましたか」
 「普段の食事とは違うものを食べましたか」
である。

 飲み薬と患部に塗る軟膏をもらった。
 「BACTROBAN 2% CREAM(バクトロバン)」 というのが軟膏である。

  
 ●「BACTROBAN 2% CREAM」
 
 しかし、これではまったく治らないし、どんどん症状が悪くなる。
 1週間ほどしてまた医者にいった。
 今度は違う飲み薬をくれた。
 「少し強いクスリにしましょう」
ということであった。
 だが、塗り薬は同じ「バクトロバン 」である。
 この軟膏だが、これを塗るとヒフがボロボロ剥ける。
 つまり、アレルギーにやられた患部のヒフを取り除くのが目的のような軟膏である。
  アレルギー自体は飲み薬で治すというのがこちらの医療方式のようである。
 
 しかし、まるで治らない。
 どんどん悪くなる。
 象皮は進むし、割れて汁が次から次へと出てくる。
 くわえて痛みがある。
 昼間はいいが夜は寝られない。 
 3、4回徹夜するはめになった。
 毎夜、数回のハンケチを洗った。
  困ったのは5月の終わりに日本へ墓参に行く予定が入っていたことである。

 日記からその時の様子を拾ってみよう。
 長い寄り道になるが、こちらのほうが正確である。
 面倒な方は飛ばしてください。

 まずは主に2013年4月分から。

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2013年03月19日(火)
 アレルギーが少々気になる。
 またアゴに出てきている。

2013年04月12日(金)
 アゴのアトピーはひどい。

2013年04月14日(日)
  昨日はちょっとよくなったのだが。
 「ソバ」を食べたせいかな。
 ソバアレルギーということはないだろう。

2013年04月15日(月)
 アゴのアレルギーがひどくなってきて、アゴ全体がアトピー化してきた。

2013年04月16日(火)
 医者へいった。
 なんと見立てはヒゲ剃りによる感染症だという。
 何ともなんともである。
 診療所は無料である。
 しかしパーマシー(薬屋)で抗生物質と軟膏(バクトロバン)で合わせて$45ほど払った。
 さてどうなるだろうか。

2013年04月17日(水)
 アゴの皮膚がぼろぼろ剝けてきている。
 感染症を起こした皮膚が軟膏によって死滅して剥がれてきているのだろう。
 これは2,3日続くだろう。
 触らないように言われいるので、ときどき痒くなるがガマンしている。

2013年04月18日(木)
 アゴは一皮向けたので見られる姿にはなった。 
 しかし、中心部は残っている。
 これは髭剃り負けであろうか、アトピーであろうか。
 明日は人前に出られるので買い物へいく予定とする。

2013年04月20日(土)
 昨夜からまたアゴがヒリヒリ痛み始めた。
 朝の4時であったが起きてしまった。
 医者へいく。
 先日と同じ先生であった。
 強い抗生物質に変更して、ヒゲは剃り歯での電気シェーバーでそらないように。
 つまり伸ばしっぱなしにするようにとのことである。
 薬代$53。
 塗り薬は相変わらず「バクトロバン」で変わらない。
 夕方、一皮剥けた。

2013年04月21日(日)
 朝方、もう一皮むけた。
 皮が大きなフケのようになって皮膚についているのを、顔にお湯をかけて落とすのである。
 チクチクする痛みから、痒みに変わってきている。
 とういうことは快方に向かっているのだろう。
 ひさしぶりにリンゴを食べる。
 フルーツアレルギーではないかと心配していたのでしばらく果物は控えていた。

2013年04月22日(月)
 夕方時点ではアゴは良くなってきている。
 ということは4回皮が剥けたことになる。

2013年04月23日(火)
 アゴは非常によくなった。

2013年04月24日(水)
 昨夜はアゴがチリチリしていた。
 皮がむけ始めている。
 なかなか快方にとは向かわないようである。
 一部が治りかけて、一部は首筋にまで広がってきた。
 まだまだである。
 夜にはクチビルにまで感染してしまった。
 見通しがなくなった。

2013年04月25日(木)
 昨夜は寝なかった。
 下唇の下あたりで感染症が爆発。
 症汁が出て、またべつのところでもチクチク痛くなり、これでは寝ててもしょうがないと、起きて本を読んで一晩過ごした。
 いわば貫徹である。
 先の土曜日がそうであったから5日ぶりになる。
 感染症はまだまだ顔をあらゆるところを侵略しそうである。
 日本にいく前までには治って欲しいのだが。
 ひどい状態になっている。
 右首筋にも大きく広がってきているし、上唇から鼻の下あたりもやばそうである。
 とても外へ出かける顔ではなくなっている。

2013年04月26日(金)
 睡眠不足なので昨日は痛みに勝って眠れた。
 今日は昨日よりはいい。
 良くなったり悪くなったりの繰り返しである。
 そしてその間で領域が広がっていく。
 夜、医者へいく。
 3回目である。
 今日は女性の医者。
 感染症が毛根の中からなので治るのに数週間はかかるという。
 強いクスリと弱いクスリの2つものと、塗り薬の処方箋を出してくれた。
 強い方は明日から一日一回服用して、効果が見えたらやめるようにというものである。
 弱い方は6時間ごととある。
 また、洗顔用の石鹸と髭剃り用のジェルも指定してくれた。
 この強いクスリの効果が出てくるのに2,3日かかるということで、2週間たったらまたくるようにとのことである。
 3週間後には日本にいかねばならないのだが。


● 「PH 5.5」の洗顔ソープ

 
 ●左が指定された専用のシェービングクリーム、右は通常のもの


 隣の薬局は閉まっているので、サーファーズパラダイスの薬屋へいった。
 全部かって95ドルである。
 薬局の薬剤師が言う。
 この強いクスリを全部飲んだ人はこれまでいない。

 良くなってきたら、半分に割って飲むように。
 2週間以上続けて飲んではいかない、
と。
  帰ってきたのは11時過ぎである。
 とりあえず洗顔した。
 ちなみに患部は温めてはならないという。
 シャワーも平温(体温と同じ)でやるようにとのことである。
 痒みが収まらない。
  塗りクスリ(バクトロバン)というのは消毒薬にちかいもので、治療のためではないようである。
 感染症を治すのは飲み薬の抗生物質によるしかないようだ。

2013年04月27日(土)
 今日から塗り薬は痛み止めをのぞいて極力使わないにようにしている。
 そうると、顔が乾燥するのだが、バリバリになって口を開けるたびに痛みが伴うことになる。
 クスリが効いてくれるまではしばらく闘病生活のつもりで過ごすつもりでいる。
 下クチビルの少し皮がむけた。
 感染症はクチビルにまで確実に進行しているということである。

2013年04月28日(日)
 このクスリ強い。
 午後からヒゲをそれるほどに回復した。
 昨日の朝と今朝の各1錠でたった2錠しか飲んでないのに、劇的である。
 ウミのでる部分が固まり、ゴワゴワして口を開けるのも痛いほどだが、皮膚のほうはどんどん剝けてきている。
 軽い部分はもはや症状がなくなったほどである。
 剃り刃で髭剃る勇気はないので、電気シェーバーを浮かし気味にしてそってみた。
 きれいにそれた。
 1週間ぶりの髭剃りとなった。
 このクスリ、話に違わわず強力である。
 危険である。
 容器に「強薬」とマジックで書いておいた。
 明日からは半分に割って明日明後日で1錠とし、それでやめようと思う。
 危険だ。


 ● 危険なクスリ Panafcortelon

 夜には皮が剝けてきて、メンソレータムを塗って皮をとっている。
 これまではとてもヒリヒリしてメンタムなど塗れなかったのに、それができるほどに回復しているということである。
 皮が剥けることによって口を開けたときにゴワゴワ痛む感触はわずかになっている。
 すごい。
 というよりやはり怖い。

2013年04月29日(月)
 サクヤは一睡もできなかった。
 アゴの回復はこれからになるということだ。
 昨日綺麗になったらから、これから快方に向かうと思ったが大間違い。
 表面の皮膚が一枚とれただけ。
 表面の皮がとれたら、ジワジワとウミ(汁)が皮膚の下から吹き出してきた、おそらく皮下に浸透した感染症のウミだろう。
 それが常時、出はじめることになった。
 アゴとアゴの裏である。
 チキチクと痛くついに一睡もしないで朝になってしまった。
 薬が強いので今日から半錠にしようと思っていたが、とんでもない、これからが本格的な治療格闘のようである。
 朝方、1錠飲んだ。昨日、一皮剥けたときヒゲをそっておいてよかった。
 これまで皮膚は何枚剥けただろうか。
 新しい皮ができるが、それがすぐに死んでいくので、チリチリと痛い。

2013年04月30日(火)
 昨夜は眠れた。
 ウミの放出は収まっている。
 鼻の舌からアゴ、そして首筋にかけて、最大級にゴワゴワになってきている。
 じっと静かにしていれば痛みも弱いので眠れたのである。
 この経緯は快方に向かっているものと判断して今朝はクスリを半分に割って、片方を飲んだ。
 ガサガサを治すために顔を洗った。
 でもぬるま湯でも肌に触ると痛い。
 いつもなら顔を洗えば表面の皮が剝けてくるのだが、今回は張り付いたまま。
 痛みが続く。
 さて、次はどういう段階に進むのであろう。
 特にアゴからアゴ下にかけては壊滅的に悪い。
 ちなみに唇もやられたが、鼻のてっぺんもやられている。鎖
 骨の凹みにも転移している。
 夜になって、少し皮膚が剥けた。
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 この強いクスリだが、30錠入りである。
 一日一錠で2週間以上は飲んではいけないという。
 ということは14,15錠が上限になる。
 なのに30錠入りとは、半分は捨てることになる。
 これ、薬屋の儲けか?



【 続く 】






【 うすっぺらな遺伝子 


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