2013年8月30日金曜日

知らぬ間に猛毒ヘビと同居:オーストラリアの都会の暮らし, 世界一住みやすい都市メルボルン

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●豪シドニー(Sydney)の民家で、アンドルー・メルローズ(Andrew Melrose)さんが捕獲したグリーンツリースネーク(2013年8月5日撮影)。(c)AFP/SAEED KHAN


AFP BBnews  2013年08月29日 20:04 
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2964344/11248561

知らぬ間にヘビと同居、オーストラリアの都会の暮らし  

【8月29日 AFP】
 知らぬ間にわが家に住み着き、何年も同居していた「間借り人」が、世界でも最も恐ろしい毒ヘビだった――。
 そんな悪夢のような話が、オーストラリアでは現実だ。

 オーストラリアにはイースタンブラウンスネークを始め、かまれれば死に至る猛毒を持つさまざまな毒ヘビたちが生息する。
 これらの毒ヘビは都会で繁殖し、ゴミ箱をあさりにくるネズミなどの小動物を餌としている。

 シドニー(Sydney )でヘビの駆除を請け負っているアンドルー・メルローズ(Andrew Melrose)さんによれば、暖かい屋根裏でとぐろを巻き、ぬくぬくと越冬するヘビも少なくない。
 人間がうっかり彼らの眠りを妨げなければの話だ。

■ヘビにとって居心地の良い人家

 メルローズさんのところには「完全なパニック状態に陥って、悲鳴を上げながら」助けを求める電話がかかってくるという。
 「自宅を売ってヘビのいないニュージーランドなどに移住しようとする人たちもいます」。
 しかし実のところ、ヘビたちは何年も前から室内や庭にすみ続けていたのだ。
 それが、家主の休暇や家の改築などで突然、白日の下にさらされただけだとメルローズさんは指摘する。

 それでも、人がヘビに襲われて死亡する例は年に1~4件程度で、そう多くはない。
 ヘビたちが人間に近付こうとしないためだ。

 豪メルボルン大学(University of Melbourne)でヘビやクモなどの毒液を研究するケン・ウィンケル(Ken Winkel)氏も、オーストラリアでは多くの人が知らずにヘビと同居していると認めつつ、次のように述べた。
 「ヘビが人間にとって危険というよりも、むしろオーストラリアのヘビたちにとって人間が脅威となっています。
 一般的なオーストラリア人が危険なヘビに遭遇する例は、まれです」

■人とヘビの残念な遭遇例

 人間がヘビの犠牲となる事件が起きるのは主に地方だが、時には都会でも発生する。
 ウィンケル氏は、2003年にメルボルンの植物園で果樹の手入れをしていた年配女性がタイガースネークにかまれて死亡した事件や、2007年にシドニーで16歳の少年がブラウンスネークにかまれてパニックになり逃げだした例などを挙げた。

 かまれて死亡する人が最も多いのはイースタンブラウンスネークだ。
 体長2メートルもあり、オーストラリア全域に生息する。
 ウィンケル氏によれば、餌をえり好みせず都会の暮らしに順応できることから、大陸全土でごく普通に見かけるようになったという。

 ヘビは通常、人間を避けるが、好奇心に満ちた子供たちが問題を起こすこともある。

 2012年にはクイーンズランド(Queensland)州タウンズビル(Townsville)で、3歳の男児が見つけた卵をタッパーに入れて衣装だんすに隠しておいたところ、ふ化したのはイースタンブラウンスネークだったという事件があった。
 幸い、男児がかまれることはなく、ヘビは野生に返された。

■無害なヘビとの共存生活

 メルローズさんが受ける駆除依頼のほとんどは、家や庭にブラウンスネークがいるというものだが、駆け付けてみると茶色いだけで無害なヘビや、トカゲの場合も多いという。
 そんなときメルローズさんは、ヘビやトカゲをそっとしておくようにとアドバイスする。
 「彼らは全く害のない生き物で、ただ帰り道に迷っただけでしょう。
 20~30年もその家にすみ着いていて、大抵の場所では人間たちと完璧に共存しているんです」

 ジム・ブランドさんとカロリンさん夫妻も、そんな人間たちだ。
 夫妻はシドニーの自宅で、頭上にヘビたちのねぐらがあるとは知らずに何年も暮らしてきた。

 「裏庭でヘビの抜け殻をいくつか見つけたことがありましたが、まさか自宅にすみ着いているとは思いませんでした」
とジムさん。
 ある日、屋根を張り替えていた職人が1匹のヘビを見つけたが、ヘビはその場から動こうとしなかった。
 最終的に、屋根からは3匹のヘビが見つかった。全て害のないグリーンツリースネークだったという。

 カロリンさんも言う。
 「ヘビが見つかっても、ちっとも心配しませんでした。
 だって、それまではヘビが居着いていることすら知らなかったんですから」。
 それより、屋根裏で騒々しい音をたてるフクロネズミや、裏庭の木陰にすみ着いたニシキヘビのほうが迷惑だったというカロリンさん。
 「見つかったヘビたちが無害だと知って、そのままにしてあります。
 何の問題もありません。
 ヘビだってどこかをすみかにしなければならないですしね」
と話した。

(c)AFP/Madeleine COOREY



ウオールストリートジャーナル 2013年 08月 29日 09:31 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE97S00G20130829?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

世界一住みやすい都市は3年連続でメルボルン、最下位はダマスカス

8月28日、英誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニットがまとめた「世界で最も住みやすい都市」のランキングで、オーストラリアのメルボルンが3年連続で1位となった。

[ロンドン 28日 ロイター] - 英誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)がまとめた「世界で最も住みやすい都市」のランキングで、オーストラリアのメルボルンが3年連続で1位となった。

EIUは世界の140都市を対象に、安定性、医療、文化・環境、教育、インフラなどの項目を基に「住みやすさ」を数値化。今回のランキングでは、オーストラリアの4都市とカナダの3都市が入り、両国の評価が高かった。

一方、ランキングで最下位となったのは、内戦が続くシリアの首都ダマスカス。このほかワースト10に入ったのはカイロ(エジプト)、トリポリ(リビア)、ダッカ(バングラデシュ)、ラゴス(ナイジェリア)など。

ベスト10とワースト10のランキングは以下の通り。

■<ベスト10>
1.メルボルン(オーストラリア)
2.ウィーン(オーストリア)
3.バンクーバー(カナダ)
4.トロント(カナダ)
5.カルガリー(カナダ)
6.アデレード(オーストラリア)
7.シドニー(オーストラリア)
8.ヘルシンキ(フィンランド)
9.パース(オーストラリア)
10. オークランド(ニュージーランド)

■<ワースト10>
1.ダマスカス(シリア)
2.ダッカ(バングラデシュ)
3.ポートモレスビー(パプアニューギニア)
4.ラゴス(ナイジェリア)
5.ハラレ(ジンバブエ)
6.アルジェ(アルジェリア)
7.カラチ(パキスタン)
8.トリポリ(リビア)
9.ドゥアラ(カメルーン)
10. テヘラン(イラン)



【 うすっぺらな遺伝子 


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2013年8月12日月曜日

続・『パシフィック・リム』と中国メデイア:「ペガサス流星拳」「カイジュウ」騒動

 
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中国メデイアから『パシフイック・リム』の
中国製ロボット「クリムゾン・タイフーン」
をまとめておきます。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年8月6日 22時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=75197&type=0

日本アニメをリスペクトする米映画「パシフィック・リム」―中国メディア


●5日、日本アニメにオマージュを捧げて製作されたギレルモ・デル・トロ監督のSF3D超大作「パシフィック・リム」がこのほど中国も公開された。

 2013年8月5日、日本アニメにオマージュを捧げて製作されたギレルモ・デル・トロ監督のSF3D超大作「パシフィック・リム」が先月31日に中国で初日を迎えた。
 同映画では、中国、米国、ロシア、オーストラリア、日本の5カ国が人類の英知を結集し開発した巨大人型ロボット「イェーガー」が、太平洋の海底から出現した巨大生命体「KAIJU」と壮絶なバトルを繰り広げる。
 中国では映画に引き続き、超ロングバージョンの中国語特番も公開され、現在爆発的な人気を集めている。
 ここで、同映画の見所の3大ポイントを解明してみたい。
 新華網が伝えた。

■見所1、ディテールに凝った設定がオタク心をくすぐる

 「パシフィック・リム」のストーリーは、海底から次々に正体不明の謎の生命体「KAIJU」が出現するところから始まる。
 世界中の都市を襲撃し始める「KAIJU」に対抗するため、人類は「イェーガー」と呼ばれる超巨大人型ロボットの軍事プロジェクトを発動し、巨大人型ロボットは戦場へ出動する。
 劇中では「新世紀エヴァンゲリオン」に似た人型ロボットが5機登場する。
 いずれも人類が設計したもので、背丈はエヴァンゲリオンよりもずっと高い。
 興味深いのは、人型ロボットのデザイン設計が細かなディテールにこだわっている点で、重量や速度、武器、ショックアブソーバ、制震装置といったものにまで説明があり、オタクやギーク(コンピューターオタク)の思考回路とぴたりと合っている。
 特に2人乗りの機体のダブルエントリーシステムは、観客に「新世紀エヴァンゲリオン」の碇シンジと渚カヲルを思い起こさせる。

■見所2、中国製人型ロボットはカンフー殺法を駆使

 人型ロボット5機のうち、中国製人型ロボットの「クリムゾン・タイフーン」は投げ技やとび蹴りといった中国カンフー殺法が得意で、敏捷性を重視し、3本腕を備える。
 手の先には至近距離の戦いに適した回転のこぎりの爪のようなものがあり、破壊力に優れた攻撃的な武器となる。
 「クリムゾン・タイフーン」の操縦士は、カナダで生まれ育った華僑の3つ子、劉智福(ランス・リウ)、劉智満(マーク・リウ)、劉智堂(チャールズ・リウ)が演じている。



 3人の真紅の機体は赤と白の模様が入ったライオン型で、非常に中国らしい特色を備えている。
 しかし、中国の観客にとって残念なのは、「クリムゾン・タイフーン」は戦闘能力は驚異的だが脇役のため、劇中のシーンは多くなく、世界を救うのはやはり日本と米国の「イェーガー」である点だ。

■見所3、存亡をかけた最後の大戦は熾烈を極める

 世界を救うため、人型ロボット5機が謎の生命体「KAIJU」と熾烈な戦いを繰り広げるシーンが全編を通した映画最大のクライマックスとなっており、ロボットファンや怪獣映画ファンは十分に堪能できるだろう。
 ストーリー自体は正直特に優れているわけではないが、強大な人型兵器と「KAIJU」の前では人類はなんと小さく弱いものかと実感する。

 劇中で唯一精彩を放っているのは、人類役のヒロイン(菊池凛子)の幼少期を演じる日本の人気子役・芦田愛菜だ。
 「芦田愛菜が登場したとき、驚きのあまり呆然とした。どうして泣いているだけでこんなに可愛いのか?
 お願いだから大人にならないでくれ
という声もあがっている。

■最大の見所―映画のエンディングでギレルモ監督が日本アニメにオマージュ捧げる

 ロボットアニメは米国にも日本にもあるが、このジャンルは特に日本で流行した。
 1970年代、日本経済が大きく発展するに伴い、アニメ製作の分野ではロボットに新しい意義が加わり、スーパーロボット系のアニメ(後にスーパーロボット系とリアル・ロボット系に分かれる)が誕生する。
 「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督は日本アニメの影響を受けた多くの映画人の1人であり、「ゴジラ」などの怪獣映画を心から愛している。
 エンディングロールには日本のアニメ製作人に対するオマージュが捧げられており、「マジンガーZ」の原作者で、日本アニメ史において初めて人間が乗り込んで操縦する日本型巨大ロボットを生み出した永井豪氏や、「機動戦士ガンダム」の生みの親であるアニメ監督の富野由悠季氏、初代「ゴジラ」の監督を務めた本多猪四郎氏の名前がクレジットされている。

(提供/人民網日本語版・翻訳/ MZ・編集/武藤)



レコードチャイナ 配信日時:2013年8月12日 8時0分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=75411&type=0

必殺技「エルボーロケット」は「ペガサス流星拳」!
映画の過度の意訳が批判の的に―中国

 2013年8月9日、上映中のSF映画「パシフィック・リム」のセリフの中国語訳が“やり過ぎ”と批判の的となっている。
 必殺技「Elbow Rocket(エルボーロケット)」の「天馬(ペガサス)流星拳」との訳が話題となったのがきっかけだが、サービス精神旺盛な訳者の賈秀●(ジア・シウイエン、●は王偏に炎)さんのユニークな訳は観衆には受け入れられなかったようだ。
 インターネットではさらに、翻訳の基本的なミスも指摘されている。
 北京青年報が伝えた。

 「ガーフィールド2」の字幕翻訳がセリフの大胆なローカル化の先陣を切ったのを初めとして、海外映画の字幕翻訳はここ数年、しばしば話題の焦点となってきた。
 最近上映となった「パシフィック・リム」は、興行収入はぐんぐんと伸びているものの、字幕の翻訳に疑念が投げかけられている。
 最も批判が集まっているのが、必殺技の「Elbow Rocket」の「ペガサス流星拳」との訳。
 想像力のあまりの飛躍に呆れた観客が非難を始めた。さらに作品中には多くの翻訳ミスがあり、元の意味と対立する箇所さえある。
 ハリウッド映画の中国での人気の高まりに水を差すできごととなった。

 2011年に公開された「カンフー・パンダ2」は、中国語訳されたセリフが親しみやすいと評判を呼び、映画の人気を押し上げた。
 だが中国らしい言い回しが海外作品翻訳の標準スペックとなった現在、行き過ぎた翻訳に観客が反感を覚えるケースも増えている。
 セリフのローカル化の流れを意識した翻訳者が流行語を入れようと躍起になるのは、できあがった西洋のごちそうに中華料理の切れ端を入れるようなものである。
 アヒルに無理やり餌を食べさせるようなこうしたやり方に、最初は物珍しがって喜んでいた観客も、徐々に消化不良を起こし始めている。

 近年の外国映画のセリフ翻訳の行き過ぎは、中国映画産業全体の環境の変化と同時に進行してきたものだ。
 興行収入がここ数年で急増していることを祝い、ハリウッドの6大プロダクションが次々と国内市場への参入をアピールしていることを喜ぶと同時に、現在の映画産業が功利性を強め、浮き足立っているという事実にも直面しなければならない。

 映画の芸術性と商業性とは表裏一体のものであり、映画がもたらす利潤を追求すること自体に是非はないが、一方への偏りは正さなければならない。
 映画の翻訳は映画作りの一部であり、その第一の原則は訳の正確さである。
 文学翻訳のように「正確さ、伝達性、美しさ」がすべて達成できればいいのはもちろんだ。
 映画に親しみを抱かせるような流行語を入れることも、映画の魅力を強める手段として否定されるべきではない。
 しかしその運用は映画の純度を保つことのできる範囲に限定するべきだ。
 過度の娯楽化や商業化の傾向は映画産業全体にダメージを与える要素となりかねない。

 過度の商業化は実際、映画産業の頭上に吊るされたダモクレスの剣であるだけではない。
 外国文学の翻訳の質もかつて、読書家を失望させる問題として話題となった。
 セリフ翻訳に関しては、映画ファンの期待が裏切られることのないよう願いたいものである。

(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/TF)



レコードチャイナ 配信日時:2013年8月12日 11時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=75428&type=0

「パシフィック・リム」で中国製ロボットは端役、
ギレルモ・デル・トロ監督「予算の都合」―中国メディア


●10日、中国でも大ヒット上映中の米SF映画「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督が、出番が少ない中国製ロボットに不満を覚える中国の観客にメッセージを送っている。写真は北京プレミアに登場した「クリムゾン・タイフーン」のパネル(左奥)。

 2013年8月10日、中国でも大ヒット中の米SF映画「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督が、出番が少ない中国製ロボットに不満を覚える中国の観客にメッセージを送っている。
 大手ポータルサイトの捜狐網(SOHU)が伝えた。

 ギレルモ・デル・トロ監督のSF映画「パシフィック・リム」は、中国で先月31日に封切られ、10日間で興行成績は4億元(約63億円)を突破。
 今年、中国で公開された海外作品の中では、最も早いスピードで数字を伸ばしている。
 同作では、米国・ロシア・オーストラリア・日本・中国の5カ国による環太平洋防衛軍が開発した巨大ロボット「イェーガー」が登場。
 太平洋の海底から出現した巨大生物「カイジュウ」(KAIJU)とバトルを繰り広げる。

 大ヒット中ながら、観客が唯一不満を訴えるのが、中国製ロボット「クリムゾン・タイフーン」の弱さ。
 5体のイェーガーのうち、メーンとなるのは米国と日本で、「クリムゾン・タイフーン」はあっという間に倒され画面から消失する
 この不満に対し、ギレルモ・デル・トロ監督が自らコメント。
 「中国の皆さんには申し訳なく思っている。
 本当はバトルシーンを用意したかったが、予算の都合で実現しなかった。
 もし予算が許すなら、うちの娘たちが最も気に入っているイェーガーなので、もっと目立たせたかった」
と語っている。

 「クリムゾン・タイフーン」を操縦するマッチョな3兄弟も、映画をきっかけに注目されている。
 彼らは本物の3つ子で、名前は劉智福(ランス・リウ)、劉智満(マーク・リウ)、劉智堂(チャールズ・リウ)。
 中華系とベトナムのハーフで、カナダで生まれ育った現役の大学生。
 3人で起業し、スポーツアイテムの販売店も経営している。
 高校時代からモデル活動をしていたのがきっかけで、「パシフィック・リム」のキャストに抜擢された。
 3人はまったく中国語ができないため、わずかひと言のセリフのために2カ月かけて中国語を学んだという。



レコードチャイナ 配信日時:2013年8月19日 22時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=75716&type=0

「パシフィック・リム」興収が異例の米国超え
=日本アニメの必殺技まで登場する“神字幕”も話題―中国


●18日、米SF映画「パシフィック・リム」の中国での興業成績が、本国を超えて世界トップに躍り出た。今年に公開された海外映画の中では最大の成功を収めている。

 2013年8月18日、米SF映画「パシフィック・リム」の中国での興業成績が、本国を超えて世界トップに躍り出た。
 今年に公開された海外映画の中では最大の成功を収めている。
 新浪網が伝えた。

 米「パシフィック・リム」は、中国で先月31日に封切られた。
 発表されたデータによると、公開から18日目の興業成績は6億1800万元(約99億円)を突破。
 米国ではこれまでの興業成績が9767万ドル(約95億円)となるため、中国が米国を抜いて各国トップに躍り出たことになる。
 興業成績の国別シェアを見ても、中国の29.3%に対し、米国はやや低い28.3%。
 米映画業界紙ハリウッド・レポーターによると、同作のの興業成績が4億ドル(約390億円)の大台に乗るかどうかは、中国市場にかかっているという。

 しかし、好調な興業成績とは別に関心を集めるのが、お粗末かつ奇妙きわまる中国語字幕だ。
 「population(人口)」を「pollution(汚染)」と間違え、「香港は最も汚染された場所」と訳すなど、単純なミスが続出する。
 ロボット「イェーガー」が繰り出す攻撃「エルボーロケット」の翻訳が、なぜか日本の人気アニメの主人公による必殺技「ペガサス流星拳」になっており、ネット上では“神字幕”とまで呼ばれて熱い視線が注がれている。



レコードチャイナ 配信日時:2013年8月21日 16時1分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=75812&type=0

神字幕”の「パシフィック・リム」翻訳者
=「ペガサス流星拳」は「監督が日本アニメファンだから」―中国


●20日、米SF映画「パシフィック・リム」が中国で大ヒット中だが、“神字幕”とまで呼ばれるトンデモ字幕にも注目が集まっている。このほど、これを担当した翻訳者が、映画会社から干されたと話題になっている。

 2013年8月20日、米SF映画「パシフィック・リム」が中国で大ヒット中だが、“神字幕”とまで呼ばれるトンデモ字幕にも注目が集まっている。
 このほど、これを担当した翻訳者が、映画会社から干されたと話題になっている。
 中国新聞網が伝えた。

 中国で公開18日目を迎えた「パシフィック・リム」は、興業成績が6億1800万元(約99億円)に達した。
 本国アメリカを抜き、各国トップの興行を記録している。
 この好調ぶりとは別に注目を集めているのが、ネット上で“神字幕”“ヤンチャすぎる字幕”と評される同作の中国語字幕。
 ロボットが繰り出す攻撃「エルボーロケット」をなぜか、日本の人気アニメの主人公による必殺技「ペガサス流星拳」と訳出しているのが最大の注目点となっている。
 さらに、英単語を読み間違えて真逆の意味にしたりと、奇妙きわまる内容が盛りだくさんという。

 この字幕を手がけた女性翻訳者への注目度も急上昇している。
 配給元のワーナー社が、彼女を起用した中国電影集団に事情説明を求めてクレームをあげ、これを受けた同集団が彼女を干したとも報道されている。
 彼女はこれまで、「メン・イン・ブラック3」「プロメテウス」といったハリウッド大作も担当してきたが、この時も誤訳・珍訳を連発し、「やりすぎだ」とネット上で話題になっていた。

 賈さんは「ペガサス流星拳」という訳語を当てた理由について、同作のギレルモ・デル・トロ監督が日本アニメの大ファンであり、その影響が作品にも大きく反映されているため、「それを踏まえての表現だった」と説明した。
 しかし、ベテランの字幕翻訳者はルールを無視したやり方や、下調べや裏取りを怠った彼女の字幕に「未熟だ」と不快感を示している。


ロケットニュース24 約1時間前
http://rocketnews24.com/2013/08/23/361161/

中国で『パシフィック・リム』の技「エルボーロケット」が「ペガサス流星拳」と翻訳
 → 理由「監督は日本のアニメが好きだから」 → 米・映画会社からクレーム



 現在、大ヒット上映中のハリウッド映画『パシフィック・リム』。監督のギレルモ・デル・トロ氏は、この映画は日本の特撮やアニメへのオマージュ作品であることを公言しており、公開前から注目されていた。
 そして公開後、この映画の中国大陸版がにわかに注目されている。
 というのも、映画の字幕のなかにとんでもない翻訳が見つかったからである。
 
●・「エルボーロケット」が「ペガサス流星拳」に
 「エルボーロケット」は『パシフィック・リム』に登場する対怪獣ロボット「イェーガー」の必殺技名である。
 イェーガーは技名を叫びながら技を繰り出す。
 だが中国大陸版では、この大切なシーンの字幕が、「ペガサス流星拳」になっているというのだ。
 
●・確かに「ペガサス流星拳」だった
 問題のシーンを動画で確認すると、字幕には確かに中国語で「ペガサス流星拳(天馬流星拳)」と表示されていた。
 ペガサス流星拳は人気漫画『聖闘士星矢』に登場する必殺技で、『パシフィック・リム』とは1ミリの関係もない。
 このまさかの翻訳が中国では「神翻訳!」と話題になり、そのおかげかどうかはわからないが、映画の興行収入もアメリカを抜くという快挙を成し遂げたそうだ。
 
●・ 翻訳者「日本アニメが好きな監督の作風に合うと思った」
 だが、なぜ「エルボーロケット」が『パシフィック・リム』とは全く関係ない『聖闘士星矢』の技「ペガサス流星拳」になったのだろうか?
 その理由を翻訳を担当した賈秀談(か・しゅうたん)氏は以下のように説明している。

 「ギレルモ・デル・トロ監督は日本アニメファンなので、日本のアニメから技名を借りました

 「日本のアニメに敬意を払ってのことです。
 原文の “Elbow Rocket” を中国語に直訳すると “肘部火箭” となります。
 でも、エルボーロケットはペガサス流星拳に似ています。
 どちらも腕に力をためて打撃を繰り返していますよね。
 だから私は “ペガサス流星拳” と訳しても日本アニメが好きな監督の作風に合うと思ったのです」
 
●・ワーナー・ブラザーズにバレる → 翻訳者は干される
 この「神翻訳」は中国ネットユーザー間で話題となったが、配給元のワーナー・ブラザーズの耳にも入ったようだ。
 賈秀談氏を起用した中国の映画会社は、ワーナーに説明を求められ、賈氏は干された状態であるそうだ。
 
●・翻訳は正確さ重視か、雰囲気重視か
 賈氏はこれまで『メイン・イン・ブラック3』や『プロメテウス』などの字幕翻訳にも携わっている。
 しかし、過去にも誤訳や中国の流行語の多用があったため、度々議論の的になっていたそうだ。

 もちろん、誤訳はあってはならないことだ。
 だが、原文に忠実な訳だと文化背景の違いから観客に伝わらないこともある。
 その際は、直訳ではないが意味が伝わる表現に改められることがあるのも事実。
 どちらを採用すべきかは永遠のテーマであると言える。

 「エルボーロケット」を「ペガサス流星拳」に訳したという今回の翻訳騒動、あなたはどう思うだろうか?
 
参照元:Youku、重慶視界(中国語)

▼これが問題のシーンだ、確かに「ペガサス流星拳(天馬流星拳)」と書かれている


▼現地ニュース動画、「ペガサス流星拳」は0:33~(中国動画サイト、表示されない場合は再読み込みしてください)
视频: 传《环太平洋》翻译遭中影封杀 因过度发挥 出现天马
http://v.youku.com/v_show/id_XNTk3NDY1NjIw.html


 翻訳騒動が一段落したと思ったら、今度は政治論争が吹き出してきた。
 いろいろ話題を提供してくれる『パシフィック・リム』である。
 ちなみに、「カイジュウ」とは「中国」を指しているのだという。
 なるほど、思いもしなかったが、よくよく考えてみるとありえるかも。
 いまの世界で、「カイジュウ」と言われる国は確かに中国しかない。

レコードチャイナ 配信日時:2013年8月23日 15時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=75914&type=0

映画「パシフィック・リム」は中国のイメージをおとしめている!
日米同盟を反映―中国紙

 2013年8月23日、解放軍報によると、最近、米国のSF映画「パシフィック・リム」が上映されヒットしているが、
 この映画には米国のアジア太平洋戦略が反映されているという。

 「パシフィック・リム」では、日本人の女の子が怪獣に飲み込まれそうになるところを
 米国の戦士が助け、助けられた女の子は米国の教育を受け、やがて自らも1人の戦士となる
 怪獣を倒した後、負傷した米国人パートナーを抱き、情熱的に「離れないで」と言うのだ。
 まさに、現実の世界の日米同盟である。

 怪獣を倒す大事な場面の舞台は、「偶然にも」香港に隣接する南シナ海である。
 米国の戦士は香港を守り、アジア太平洋地域を安定させて人類を救うという役回りだが、中国人は怪獣の肉や内臓などを食品に加工して販売したり、怪獣の体内の寄生虫を食べたりする様子が描かれ、中国のイメージを大きくおとしめている。

 ハリウッドは、これまでずっと米国の価値観と世界戦略の宣伝に使われてきた。
 「アイス・エイジ」では当時世界各国で論争のあった世界の異常気象を描き、
 「007ダイ・アナザー・デイ」では北朝鮮が“悪の枢軸国”として描かれた。
 これらの映画は、中国から莫大(ばくだい)な資金を吸い取っていくだけでなく、若い世代に西洋の価値観を植え付けている。

 この「パシフィック・リム」もハリウッドのこれまでの流れを引き継いだものと言え、米国の目下のアジア太平洋地域の戦略と図らずも一致する。
 「怪獣」が何を指しているかは言わずもがなである。

 ウーン、そう言われれば素直に納得できる論旨である。



【 うすっぺらな遺伝子 


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2013年8月9日金曜日

「ラッキーカントリーの終焉」:フィナンシャルタイムズから、「運が尽きないことを祈る」

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●ケビン・ラッド氏は6月のALP党首選に勝ち、首相に返り咲いたばかり〔AFPBB News〕


Financial Times  2013.08.09(金)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38420

オーストラリア次期首相に迫る「運の尽き」
ラッキーカントリーも鉱業ブームの終わりで難しい局面に
(2013年8月8日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 オーストラリアはこの20年間、「ラッキーカントリー(幸運な国)」という評判にふさわしい国だった。
 同国は1991年以降、世界の先進国で唯一、景気後退を経験していない。
 健全な金融システムと、
 経済を加速させた中国製の鉱業ブームのおかげで、世界金融危機を見事に切り抜けた。

 石炭と鉄鉱石の莫大な埋蔵量のみならず、いつでも液化し、エネルギー不足の日本と韓国に出荷することができる莫大な天然ガス埋蔵量も誇る。
 さらに、少ない公的債務、低いインフレ率、そして今のところ比較的低い失業率を謳歌し続けている。

 しかし、「ラッキーカントリー」という言葉には続きがある。
 これは作家で社会評論家のドナルド・ホーンが1964年に名付けたもので、フレーズ全体はあまり楽観的ではない。
 「オーストラリアはラッキーカントリーであり、
 その幸運を分かち合う二流の人物が運営している

というものだ。

 オーストラリア経済の行く手には荒波が待ち受けており、有権者は来月の総選挙で、欠点のある政治家2人のうち、どちらに舵を取らせるべきか決めなければならない。
 この選挙はホーンの格言を極限まで試すことになるだろう。

■好感の持てないナルシシストvs不人気な女嫌い

 首相になったかと思えば姿を消し、また返り咲いたケビン・ラッド氏と、自由党率いる野党連合の代表のトニー・アボット氏は、それぞれに欠点がある。
 勝つのがどちらにせよ、ラッド氏が
 「中国資源ブームの終焉」と呼ぶものからの移行を管理するという難しい仕事が待ち受けている。

 ラッド氏は猛烈なインテリで、北京語(中国標準語)を操る。
 また、安全保障上の主たるパートナーは米国だが、最大の貿易相手国は中国であるこの国を形作る様々な力をよく理解している。
 しかし、ラッド氏は時に嫌な政治家でもあり、高飛車な態度のせいで自党内の多くの人から嫌われている。

 今年6月、3度目の挑戦でジュリア・ギラード氏からオーストラリア労働党(ALP)党首の座を奪い返した時には、閣僚の多くがラッド氏に仕えることを拒んだ。
 ラッド氏の流儀に対する嫌悪は、ジョン・ハワード元首相の下で11年続いた連立支配に終止符を打った2007年の「ラッドスライド(ラッドとランドスライド=地滑り的勝利=をかけた言葉)以来ずっと、ALPを悩ましてきた。

 2010年に労組が強いALP議員の支持を失うと、ラッド氏はクーデターで辞任に追い込まれ、力は劣るにせよ、より好感の持てるギラード氏がその後を継いだ。
 たちの悪い内部闘争は、本来なら過去100年間で最も目覚ましい鉱業ブームの恩恵を享受しているべき時に、ALP政権を壊滅状態にした。


●自由党は支持率が高いが、トニー・アボット氏本人の正味の支持率は大幅なマイナス〔AFPBB News〕

 次に、アボット氏にご登場願おう。
 同氏の率いる自由党は財政的に慎重な政策要綱を掲げており、現在、国を統治する政党としてオーストラリア国民からの信頼を集めているが、アボット氏自身はそうではない。

 元ローズ奨学生で一時は聖職の訓練を受けたアボット氏は、いじめっ子の評判を持つ社会的保守主義者だ。
 ギラード氏は、女性と中絶に対する見解や、彼女に対する「ディッチ・ザ・ウイッチ(魔女を退治せよ)」キャンペーンとの関係についてアボット氏を非難した。

 アボット氏は乱暴者のイメージを和らげようとしてきた。
 だが、ジャーナリストのデビッド・マー氏いわく
 「オーストラリア政界の偉大な頑固者の1人
であるという評判を払拭するのに苦労している。

 ニューズポールの最新の世論調査によると、アボット氏の個人的な支持率は正味マイナス22ポイントで、やはり支持率がマイナス領域のラッド氏を13ポイント下回っている。

 というわけで、好感の持てないナルシシストか不人気な女嫌いか、というのが有権者の選択肢となる。
 政権与党としてのALPの実績を考えると、ラッド氏が党首に返り咲いて以来、ALPが差を縮めたとはいえ、アボット氏の率いる自由・国民連合が勝つ公算が大きい。

■ファンダメンタルズが急激に悪化、豪ドル安効果に期待も・・・

 どちらが勝ったとしても、国家運営は簡単にはいかない。
 急落するコモディティー(商品)価格のせいで、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)は予想より急激に悪化した。
 政府は先週、策定から3カ月しか経っていない予算を破棄することを余儀なくされ、今年度の経済成長率の予想を2.5%に下方修正するとともに、今後4年間の歳入見通しを合計330億豪ドル(297億米ドル)引き下げた。

 オーストラリア準備銀行(RBA)はこれに対して、
 基準金利を史上最低の2.5%
に引き下げた。

 鉱業ブームが豪ドルを米ドルとのパリティ(等価)を超す水準に押し上げたために、オーストラリア経済の資源以外のセクターは近年、苦戦してきた。
 豪ドル高と賃金上昇とが相まって、一部の製造業者は廃業に追い込まれた。
 フォード・モーターはオーストラリアから撤退する。
 国内総生産(GDP)の4分の3を占めるサービス産業も苦しんでいる。
 観光客も外国人留学生も、高い物価に意欲を失っているからだ。

 こうした効果の一部は今後、逆転するだろう。
 豪ドルが弱くなり、通貨安がグレン・スティーブンスRBA総裁の言う「緩衝材としての通常の役割」を果たすようになるからだ。
 豪ドルは4月初め以降、既に15%下落している。
 だが、これで十分かどうかは分からない。

 実際、工場を閉鎖する方が工場を開設するより簡単だ。
 確かに、新規開発が始まるに伴い、コモディティー輸出、特にガスの輸出は増え続けるだろう。
 しかし、資源投資――50年平均がGDP比2%であるのに対し、同8%に上っている――は急激に減少する見込みだ。

 過剰な債務を背負う消費者は簡単にはその穴を埋められない。
 オーストラリアは今の世代で経済的に最も難しい時期を迎える可能性がある。

■20年も好況が続いたのに「この日」に備えなかった政治家たち

 来月の選挙で勝った人は、構造的な経済転換であるこの現象に対抗するうえで、お粗末な手段しか持たないかもしれない。
 ここで、特筆すべきことが1つある。20年間の好景気が続いた後だけに、政治家はもっと周到にこの日のために準備をしていてもおかしくなかったはずだ。

 鉱業ブームの思いがけない利益を使い、いざという時のための基金を創設したり、政府系ファンドを設立したりする議論は散発的に出た。
 その意味では、ラッド氏の「スーパータックス(資源超過利潤税)」は正しい路線だったが、時期が遅すぎ、実行がお粗末だった。

 その結果、オーストラリアは必要以上に景気下降に脆弱になっている。
 成長が鈍化するなかで、オーストラリアは、豪ドル下落が同国経済の資源以外の部分に新しい息吹を吹き込んで成果を上げることを願うしかない。
 他の先進国経済と比べると、オーストラリアはまだかなり恵まれているように見える。
 しかし、次の首相は、運がまだ当分尽きないことを祈らねばならない。

By David Pilling
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JB Press 2013.08.28(水)  Financial Times:
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38565

オーストラリアの選挙、野党が勝利を視野
厳しい経済問題を避け、甘言を弄するアボット氏
(2013年8月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


●総選挙へ向けた党首討論に臨む与党・労働党を率いるケビン・ラッド首相(左)と野党・保守連合(自由党・国民党)のトニー・アボット自由党党首〔AFPBB News〕

 オーストラリアを訪れ、力強い経済と不機嫌そうな国民感情が並存する同国のパラドックスに驚嘆するのは、ロイド・ブランクファイン氏だけではない。
 「あなた方は今、我々が到達しようとしているレベルに落ち込んだ」。
 ゴールドマン・サックスの最高経営責任者(CEO)を務めるブランクファイン氏は、最近のオーストラリア訪問時に真顔でこう述べた。
 「同情を禁じえません」

 オーストラリアの富と不満は2週間後の選挙で明らかになる。
 世論調査では、ケビン・ラッド首相と同氏が率いる労働党が政権の座を追われると予想されている。
 だが、有権者がトニー・アボット氏が率いる保守派政党・自由党に向かっているのは、同氏が愛のムチを使い、衰えつつあるオーストラリアの成長モデルを修正することを期待しているからではない。
 実際はその逆だ。

■内紛続きの労働党に有権者が愛想

 ラッド政権が9月7日の選挙で負ける理由はたくさんある。
 特に大きいのはラッド氏本人の問題だ。
 中国語を話す元外交官のラッド氏はかつて、大半の同僚を鼻であしらいながらも有権者と親密な関係を築くことができた。
 だが、3年に及ぶ労働党の内紛を経て、ラッド氏に対する有権者の信頼は消え失せている。
 ラッド氏は2010年の党内クーデターで首相の座をジュリア・ギラード氏に奪われた。
 今年6月、今度はラッド氏がギラード氏から首相の座を奪い返したが、突飛な言動が仇となり、ラッド氏はもはや有権者にアピールしない。

 労働党はこのトップレベルの機能不全に加え、同党が導入した炭素税に対する攻撃と、インドネシアから船でなだれ込む亡命希望者を食い止められなかったことで打撃を受けている。
 何とか運勢を上向かせたいと願うラッド氏の望みは、オーストラリアの活字メディアを牛耳るルパート・マードック氏の新聞各紙が日々展開する労働党叩きキャンペーンで絶たれてしまった。

 こうした状況のせいで、オーストラリアが直面する最も重要な問題が目立たなくなっている。
 つまり、
 中国経済の減速と自国の税基盤の弱体化に適応するために、政策をいかに修正すべきか、
という問題だ。

 今世紀に入ってからの中国経済のエネルギー集約的な本格離陸からオーストラリアほど大きな恩恵を受けた国はほとんどなく、オーストラリア以上に中国に依存するようになった国は1つもない。
 何しろオーストラリアの輸出の4分の1以上が中国向けだ。

■財源を説明できない人気取りの政策

 2004年以降、ジョン・ハワード氏からラッド氏、ギラード氏に至るまで、歴代政権は中国資源ブームから得た国民所得の急増を蓄えたり投資したりするどころか、ほぼ使ってしまった。

 アボット氏にはこのような贅沢が許されないが、行く手に待ち受ける厳しい時代に向け、有権者を備えさせていない。 
 野党の猛犬を自称するアボット氏は代わりに、この1年というもの、精力的にイメージチェンジを図ってきた。
 アボット氏が選挙運動で掲げた看板政策――女性人気のなさを打破することを目的とした政策で、影の内閣の反対を押し切って採用されたもの――は、多額の予算を割くが、生産性の向上が特に見込めない産休制度だ。

 アボット氏はこの制度の財源をどう確保するのか説明できていないし、労働党が導入した炭素税と鉱業税を廃止するという選挙公約によってあく穴を埋めるために、何を削減するのかも説明できていない。
 同氏は産休制度を「エンタイトルメント(権利)」と呼んだ。
 厳しく対象を絞った福祉給付を誇りにしてきた国にとっては、不穏な米国気質だ。

 問題を小さく見せるこうしたやり方は、中国ブームの恩恵からあらん限りの賄賂を受け取ってきた有権者の権利意識を強める一方だ。

 オーストラリア準備銀行(中央銀行)は8月初旬に政策金利を過去最低の2.5%に引き下げており、追加利下げが行われる可能性は高い。
 だが、金融政策は成長鈍化を食い止める力を失いつつあり、税収の減少のせいで財政面で対策を講じる余裕はなくなっている。
 準備銀行は、オーストラリアドルのさらなる大幅下落がリストラの負担を支えてくれることを期待している。

■アボット氏の多面性に期待

 しかし、変化のカギを握るのはアボット氏だ。
 学生運動の扇動者であり、一時は神学を学び、また、ジャーナリストとして活動し、企業に懐疑的な反共カトリック教徒を政治の師とするアボット氏は、世間のイメージが示唆するよりも多面性がある。

 アボット氏は長年、政敵が同氏の変わる力をみくびることから利益を得てきた。
 アボット氏が勝った場合、新たに誕生する保守政権に勇気と創造力を求める人は、同氏が再び懐疑派をがっかりさせられることを期待することになる。

By Richard McGregor in Sydney
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JB Press 2013.09.10(火)  Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38660

社説:オーストラリアが直面する課題
(2013年9月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 トニー・アボット氏は週末に実施されたオーストラリアの総選挙で勝つために大した努力をせずに済んだ。
 自由党と国民党の保守連合を率いるアボット氏は手堅い選挙戦を展開し、20年に及ぶ同氏の政治キャリアを特徴付けてきた失言を避けた。
 だが、有権者を説得し、実はそんなに好きではない人物の支持に回らせたのは、与党・労働党内の絶え間ない内紛だった。

 今年6月、選挙のわずか2カ月前に、労働党は党首で首相だったジュリア・ギラード氏に代わり、前任者のケビン・ラッド氏をリーダーに据えた。
 ラッド氏はギラード氏自身が2010年に退陣に追い込んだ人物だ。

■労働党内紛という敵失で圧勝

 労働党の絶え間ない対立が、政権与党としてのまずまずの実績に影を落とした。
 オーストラリアの石炭と鉄鉱石に対する中国の需要に支えられ、同国は主要先進国で唯一、金融危機時に景気後退を免れた。

 アボット氏が直面する経済見通しは、それよりずっと厳しいものになる。
 中国は消費主導型の発展モデルへシフトしており、コモディティー(商品)価格は下落している。

 オーストラリアはもはや、自国経済を回していくうえで鉱業セクターに依存できない。
 5%前後で推移してきた失業率は、じわじわと上昇している。
 歳入が縮小するに従い、財政赤字の抑制は難しくなる。

 オーストラリア新首相に就くアボット氏は選挙戦を通して、経済計画については驚くほど曖昧だった。
 保守連合は当初、政権に就いて1年以内に財政赤字を解消すると誓ったが、その後、その約束をトーンダウンする羽目になった。
 オーストラリアの純債務は国内総生産(GDP)比わずか12%だ。
 経済成長のさらなる重しとなりかねない早計な財政引き締めの必要はない。

 アボット氏は労働党政権が導入した炭素税と資源超過利潤税を撤廃する意思については、ずっと明確だった。
 この点では、同氏の直感は間違っている。
 投資と労働よりも環境汚染に課税するほうがよい。
 政府には、オーストラリアの隠れた財産を利用して企業が得た利益に対して一定の分け前を主張する権利がある。

■就任後に待ち受ける険しい道のり

 外交政策については、英国びいきの新首相は一般に、オーストラリアと米国との関係を強化し、中国に対してはより慎重なアプローチを採用すると見られている。

 だが、アボット氏は慎重に事を運ぶ必要がある。
 オーストラリアは軍事的安全保障について米国に依存している。
 だが、たとえオーストラリアが資源を原動力とした発展モデルからの転換を図っても、中国は同国にとって重要な通商パートナーであり続けるのだ。

 易々と選挙で勝利を収めたアボット氏だが、就任後はもっと険しい道のりが待ち受けている。

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【 うすっぺらな遺伝子 


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2013年8月6日火曜日

『ウルヴァリン』

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映画『ウルヴァリン:SAMURAI』日本版予告編


映画『ウルヴァリン:SAMURAI』日本オリジナル本予告




● バグース7月号に載っていた映画案内

 「BAGGUSE 7月号」の映画案内に日本絡みのものが2本あった。
 『パシフィック・リム』と『ウルヴァリン』。
 今日は『ウルヴァリン』を見にいった。
 『パシフィック・リム』はハーバータウンで3Dで見たが、あれは疲れてしまったので今度は2Dでみた。
 場所はオーストラリア・フェアー。
 3Dは通常、11ドル。
 2Dは8ドル50。




●ハーバータウンの映画案内

 オーストラリア・フェアーではシニア割引が使えるので2Dで7ドル50と1ドル安い。

 

3Dより画面が小さい。
 というより、もしかしたらハーバータウンの方がスクリーンが大きのかもしれない。
 3Dではないので、迫力はない。
 パシフィック・リムは迫力満点だがあまりにも近すぎるので疲れた。
 このくらいのものを3Dでみるとちょうどいいかもしれない。
 戦闘シーンで面白かったのは、新幹線の車両の屋根での死闘。
 これは3Dでみるべきものだろう。
 さて、感想だが。
 「こんなところかな」
というもの。
 ストーリー的にはどこかの小説に出てきそうな設定。

映画「ウルヴァリン:SAMURAI」特別映像





【 うすっぺらな遺伝子 


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