2014年7月20日日曜日

ゴールドコースト・ライトレール:「The G」、「GTL」、「トラム」、やっぱり『市電』がいい

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●開通記念:10時前のサウスポート駅






 「Light Rail」 訳すと軽便鉄道。
 これではまるで宮沢賢治の世界になる。
 「市電」と訳すのが穏当だろう。
 市電なら「C電」となる。
 昔、国鉄がJRになったとき「E電」というのが呼称として採用されたが、めったやたらと不人気であった。
 C電にあたるのが「ザ・ジー:The G」なのだが、人気はどうだろうか。
 Gにリンクしてバスが発着する交通システムが組まれており、これを「Gリンク(G-link)」という。
 あるいは「GTL(ゴールドコースト・トラム・リンク)」という呼び方もある。
 「GTL」となると「GTO:グレート・テイチャー・オニズカ」を]思い出す。
 安穏なところではやはり「トラム:Tram」だろう。
 いわゆる、路面電車である。




明日から本格的な運行となる。
 そこで今日は無料開放日。
 さっそく出かけていく。
 オーストラリアフェアーに車を置いて「サウスポート」駅から南側の終点である「ブロードビーチ・サウス」駅までいく。
 北側の終点である「大学病院」駅まで行って、引き返してサウスポートで降りるという計画である。
 おそらく10時を過ぎると混雑するはずだと思って9時過ぎには家を出る。
 サウスポート駅はまあまあの人出。
 

●スカボロストリートから「サウスポート・サウス」駅へ


●サウスポートサウス駅から「パークランド」駅へ


●ネラング川を渡って「メイン・ビーチ」駅へ

 サーファーズパラダイスの中心にあっては、自動車は南に向かう1車線のみ。
 北に向かう車線はない。
 トラムの開通により完全に車はサーファーズの中心から閉めだされたということになる。
 昔はここがゴールドコースト・ハイウエイの核にあたったが、いまではネラング川沿いのフェルニー・アベニューが自動車の幹線になっている。
 これによってサーファーズパラダイスの景観は一変することになるだろう。
 トラムを新たなアイテムにする観光文化を作り上げることに邁進することなる。
 それがどんな形をとるかはこれからの問題になる。
 フェルニー・アベニューは正直狭い。
 よって、すこぶるの混雑が予想される。
 それが車でサーファーズにはいかない、トラムを使用するという感覚が定着するとき、新しい文化が根付く。
 このトラムの開通で、サウスポート・サーファーズパラダイス・ブロードビーチの3地域が一つの骨太のラインで繋がったことは、これからのゴールドコーストの展開に大きな影響を及ぼすことになる。
 特に、ビジネスセンターとしてサウスポートは一気に発展地域に浮上することになる。
 サーファーズの発展はおそらくこれで大きな意味では完了したと見ていい。
 

●終点「ブロードビーチ・サウス」


●電車に乗るために長い列:ブロードビーチ・サウス

 10時半を超えた頃からお客が集まりはじめ、ブロードビーチは長蛇の列。
 これはホームの南側、反対側に同じような列が並ぶ。


●サーファーズパラダイス北からメインビーチへ
左側の住宅地はパラダイスウオーター。


●メインビーチからパークランドへ
 パークランドの正式名称は「ブロードウオーター パークランズ」


●パークランドからサウスポート南へ

 ブロードビーチでの列を見たので、終点の大学病院にいくのをやめる。
 というのは、オーストラリアフェアーの駐車場は3時間まで無料だが、それを超えるバカ高な料金を請求される。
 ちなみにサーファーズパラダイスのシェブロンルネッサンスの地下駐車場は2時間までタダだが、それを超えると25ドルである。
 実際、僅か5分の差で25ドル支払うことになった経験がある。
 その事が頭にあったため安全側で動くことにした。



● 6時のセブンニュース

このトラム、相当に運賃が高いらしい。
 運賃設定というのはかかった費用を何年で償却するかというのをベースに決めることが多い。
 この形だとべらぼうな運賃になってしまう。
 日本の高速道路の料金はだいたいその形で設定されている。
 そのため利用者が少なく20年で元がとれる計算が、30年40年と伸びていくのが普通である。
 それでは社会貢献の意味がなく、地元の発展にも貢献しないということで、最近は利用者が利用しやすい運賃設定に見直されている。
 たとえば最近の本州と四国を結ぶ本州四国連絡橋の料金の根本的改定などその典型的な例である。

 おそらくこの「ザ・G」もそいう歴史を迎えることがあるような気がしているが。
 公共交通というのは社会にどれほど貢献できるか、産業を活性化する肥料になるかで決まるものである。
 その視点がないなら、食えないお供えもたいなものになる。
 無用の長物、あるいは交通渋滞を引き起こすだけの邪魔な鉄バコになってしまう。
 全線4ドル固定にするぐらいの腹のくくりがないかぎり、市民の足になるという目標は達成できないだろう。
 目先の利益だけにしか動けないなら、ネコに小判ということにもなりかねない。

 なを、サウスポート・サーファーズパラダイス・ブロードビーチをつないでいるだけでは電車としての機能は薄い。
 これが外線とつながってはじめて市内トラムとしての役割をなす。
 ために、なるべく早く、ヘレンズベイル駅へ乗り入れをすることが必要になる。
 ゴールドコースト大学病院からヘレンズベイル駅まではサーファーズパラダイスのような繁華街を通過させる工事上の困難さはない。
  オルセン・アベニューとゴールドコースト・ハイウエイの2本の道路には電車を通す余地がある。
 なるべく早くつないで、ブリスベンから電車の乗り継ぎでゴールドコースト中心地へ乗り入れられるようにならねばならない。
 少なくともそれをしてはじめて、このトラムの価値が上昇する。
 いまはまだ、中途半端、あるいは足を引っ張っている感じである。
 難しい工事を先に終えたという当局の苦労は賞賛に値する。
 それを現実のものにするには、次のステップが必要になる。
 
 やっぱり『市電』がいい。





【 うすっぺらな遺伝子 


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2014年7月13日日曜日

オーストラリアフェアーのダイソー休憩室

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 オーストラリアフェアーの1階に変な空間がある。
 休憩室という。
 テナントが出ていったあとそこを「DAISO:ダイソー」が借りて休憩室として開放しているということである。
 利益を生み出さない休息空間とは何か中途半端。
 「家賃も高いだろう」にムダな心配をしてしまう。
 おそらく思うにダイソーは左右のどちらかが出ていったときに合わせた形で店舗をオープンする目算なのだろう。
 一室だけでは量販を目的とするには狭すぎる。
 それをみこして、まずは一室のテナント契約をしたということである。
 でも何もしないで閉鎖することはオーストラリアフェアー側としては許さないだろうから、まずは休憩室としたのだろうと思う。

 同じフロアーの逆コーナー側にダイソウーは先日「2ドル80ショップ」をオープンさせて盛況である。
 モノは日用雑貨一般である。
 オーストラリアは猛烈なインフレ。
 一方、日本は万年デフレ。
 先進国は安いモノが開発途上国からどんどん入ってくるから、品物の値段はどんどん下落する。
 モノがあふれればデフレになる。
 先進国がデフレになるのは経済学的に理にかなっている。
 ということは、オーストラリアというのは相当遅れた後進国ということになる。
 なのに賃金は高い。

 
 先日の話では最低賃金が日本の倍になるという。
 いったいこんなことで、この国、やっていけるのだろうか。
 当然なこととして、企業は耐え切れずにどんどん逃げ出す。
 先日はトヨタが撤退を発表した。
 もはやこの国では産業は育たない。
 ボートとかヨットといった趣味産業しか残らない。
 この国に将来はない。

 でもこの国には未来がある。
 将来というのは人が作っていくもの。
 未来とはすで時間軸の向こうに存在するもの。
 この国は食糧とエネルギーが自給できる稀有な国である。
 まさに、ラッキーカントリー!
 例えば中国は、この食糧とエネルギーが自給できないため、未来が暗い。
 今はやたらとバラ色だが、何かにけつまずいたときにとんでもない事態がおこりうる。
 オーストラリアにはその心配がない。
 ありがたくも未来に対して安定的である。
  
 だいたい、この国ロクなものがない。
 雑貨などはすべて、メイド・イン・チャイナ。
 自国で作れるのは、ペットフードぐらいなもの。
 なにしろ、これは年間300万頭を間引きするカンガルーの肉が余っているのであるからいとも簡単。
 野生の肉が豊富に余っている国など世界を探してもここしかない
 この肉、使い道がないので大半はペットフードになる。
 ときどきソーセージになるらしいが。
 とんでもない国なのである。
 中国製のキャットフードを与え続けていたら、ネコが死んでしまった、というニュースがアメリカにあった。
 ペットフードについてはオーストラリアは一流メーカーなのである。
 ここで売られているあらゆるものの品質は日本でダイエーなどの量販店が流行っていたころの超むかしのレベル。
 よって、誰も品質など期待していない。
 だが、ダイソーは現代日本の品質基準をクリアーしたものを並べている。
 品揃へもいい。
 価格も安価。
 100円ショップのモノを並べているのだから、値段がわかっている。

 ちなみにいうと、スーパーマーケットの冷凍食品はプロダクト・チャイナが主流。
 安いと思ったら、中国品とみていい。
 みな安いから買う。
 だが日本人はちょっと手がでない。
 「抗生物質づけ」
というイメージが浸透してしまっている。
 抗生物質を摂取し続けたら、いったいどうなるのだろう。
 まだ、答えは出ていない。
 中国人は赤ちゃんの粉ミルクに国産品は使わないという。
 逆にオーストラリア人はその人体実験国になれるかもしれない。
 肥満大国で抗生物質漬けだとどういうことになるのだろう。

 中国のお金持ちが高額物件の住宅を買いまくっている。
 中国人のオーストラリア市民権の取得も増大している。
 息子がこの市民権を取得したとき、勤めている会社の社長が言ったという。
 「パスポートで一番価値のあるのはジャパンだぞ、いいのか?」
 この社長はカナダ人。
 いずれにせよ今は中国を軸に世界は動いている。
 この国が檜舞台から退く前に、引き出せるだけ金を引き出してしまえ、というのが欧州人の戦略。
 彼らは思っている。
 このまま中国が右肩上がりに進むはずはない。
 何時かは壁にぶつかり、立止ざるを得ない。
 その時期は結構早いかもと。
 最後は欧州思想が勝つはずだ、と信じて疑ってはいない。

 このインフレとデフレの差でダイソーはオーストラリアへの進出を加速させているのかも。
 この差は間違いなく「価格破壊」を引き起こす。
 日本の基準をクリアーした良品がジワジワと入り込んでいる。
 いまのままではこの国、ズルズルと後退せざるを得ない。
 この国は大きく変わらないといけない時期きているように思えるが。
 物価が日本の倍、賃金も日本の倍、それで将来もやっていけるとは思えない。
 でも、この国の未来は明るい。
 同じく日本の将来も明るい。
 メデイアは暗い日本を演出したがるが、外からみれば日本ほど明るい将来を持っている国はすくない。
 少子化?
 人が多すぎるから減らす方向に民族生態系が動いているだけ。
 民族遺伝子には「経済問題DNA」などない。
 あるのは「個体生存の法則」のみ。
 増えすぎれば減る方向へ、減りすぎれば増える方向へと動く。
 「生物自己保存の法則」があらゆるものの原点。
 労働力がどうの、とかいうのは勝手な人類の思い込みだけ。
 生物は生物原理で動く。
 人間は生物ではない、というならそれはそれでしかたないのだが。

 いっとき我が世を謳歌した韓国はいまほとんど明日に対する展望がない。
 中国は今、その謳歌をしているときだが、いつまで続くかとなると暗い予想しか出てこない。
 生態環境破壊で「成長大国」は確実に劣化している。

 好き勝手に述べてきたが、果たしてそのウソ本当ということである。
 ダイソーの進出ということにからんで今の、そして少し先にことを気楽に想像してみた。








【 うすっぺらな遺伝子 


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