オーストラリアのジャポニカ米といったら「サンライズ」米。
ウールワースとかコールスとかのスーパーマーケットにいくと必ず売っている。
棚には寿司セットが並べてあり、テレビの料理番組では頻繁に寿司の作り方が放送されている。
内容はほとんど海苔巻きで、「にぎり」はない。
そりゃそうで、ご飯を細長くしてそれに魚でもなんでも載せれば「にぎり」になるとしたら、料理の仕方にはならない。
そこで「にぎり」のときはノリを帯状に切って中央に巻いて見た目で「寿司の作り方」にしている。
サンライズ米の高級なものは「こしひかり」で、袋には「SUSHI」と印刷してある。
こちらの人はこれを買ってきて、スノコにのりを敷いて、なんでも入れて太巻き風にまいて寿司を作っているというわけである。
寿司ブームではあるが、日本の寿司とは絶対的に違うところがある。
それは「酢」を使わないことだ。
炊いたご飯をそのまま寿司に使う。
ある人曰く、
「にぎり寿司ではなく、おにぎりスシだ!」
日本ではスシは特別のものであって、日々の食前には上がらない。
ところがここでは日常の食卓風になっている。
それは酢を使わないことからきている。
酢飯というのは毎日食えるものではない。
酢の匂いが鼻につき、続けると顔をそむけるようになる。
こちらでは酢を使わないから、ご飯として食べられるということになるわけである。
酢は寿司に使う魚の臭みを消し、生魚の毒消しにもなる。
ではこちらではどうして生魚の臭みを消しているのか?
という疑問が出てくる。
答えは簡単。
どういうわけかこちらの魚は
「臭わない」
のである。
シーフードショップ(魚屋)へいっても、魚の匂いがしないのである。
というより、あらゆるものに匂いがないのである。
もちろんまったく臭わない、ということではなく、強い匂いがないということである。
例えば、こちらは亜熱帯タイプの花が咲く。
じつに美しい。
なら匂いは、と思って花に鼻をあてて嗅いでもほとんど匂いがしない。
よくガーデニングで植木を買いにいく。
シーズンのいろいろな花が所狭しとならべられてはいるが、匂いはわずかである。
こちらの花は、目で見るもので鼻では楽しめない。
おそらくは気候、湿気のない乾燥気候が匂いを奪っているのではないかと思うのだが。
花がそのようだから、魚にも臭みがない。
よって、酢は不要になるというわけである。
酢を使わないなら日々食べられるということになり、寿司はこちらの日常文化にもなっている。
日本の寿司はハレの文化であるが、こちらのほうがはるかに生活に浸透している。
● 韓国米
日本食料品店が近いのでそこでお米を買う。
安売りのときはサンライズ米もでるが、通常は輸入の関係なのだろういろいろな米が出てくる。
アメリカのカルフォルニア米、中国・韓国のコシヒカリ、タイ米、ベトナム米と多彩である。
最近、ミヤンマーへの日本の進出が具体化しているので、早晩「ビルマ米」も生産され、輸入されてくるだろうと思う。
いわく、近江米。
上のパンフレットには5種類あるが、そのなかの「日本晴」が販売されていた。
その前にあったのが「お米のレシピ」。
といっても、ご飯の炊き方と寿司と雑炊の作り方しか載っていないのだが。
英文対比ですので、コピーしておきましょう。
ちなみに、日本の国土の7割は森林だそうです。
昔、小学校の教科書には日本の国土の8割は人が住めません、残りの2割のところで日本民族は生活しています、と教わったことを覚えている。
同じようにここオーストラリアの8割は人が住めません。
似たり寄ったりかも。
【うすっぺらな遺伝子】
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